「 2016 6月 」記事一覧

2016.06.20 その他, ペルシャ絨毯のお話

修復しながら財産として残していけるペルシャ絨毯☆

ペルシャ絨毯は修復しながら代々継いでいける実用的な財産です。

その修復技術の高さはペルシャ絨毯の歴史を物語るもの。その一例を紹介します。この画像は大きな120×300程のサイズ、数十年経つ状態も草木染の色の落ち着き具合も美しい希少なアンティークの絨毯でした。

直径15㎝程の穴が!!!

直径15㎝程の穴が!!!

しかし!! 大きな石の鉢を絨毯の上に乗せて1年、その鉢の下から水が漏れていることに気付かず、その鉢に絨毯が貼りつき鉢を動かした際にポロポロと絨毯の結び目がこぼれ落ちるというショックな事態となりました。

ペルシャ絨毯専門のメンテナンス工場に腕の良い修復職人さん、その職人さんもショックながら時間とお金はかかりますがやりますと、意気込んでくれました。

まず大きな穴の部分は切断。ダメージがない部分まで切るので直径15㎝程の穴に対して数十センチ切断。そして切断部分に絨毯を作り繋げていく。同系の色の糸を用意して縦糸を付け足し、それに対し用意した糸を織り足していく。元のデザインに忠実に、丁寧に丁寧に織っていく。そここそ職人の腕の見せ所!!! ペルシャ絨毯愛の見せ所です。

費やすこと2カ月弱。 出来上がりがこちら!

どこに織り足したかわかりません!

どこに織り足したかわかりません!

どこに何をしたのかわかりません。この中央部分の紺色のモチーフは織り足した部分。前後のデザインとも同じです。持ち主さんもマジックを見ているかのようでした。

こうして大事に大事に使われてきた絨毯は、アクシデントに見舞われ最悪の状況になりましたが、やはり大事に思ってくれる持ち主の愛情のお蔭で捨てられることはなく、見事な職人によって甦ったのです。素晴らしいお話です。 日本では使い捨てが当たり前な敷物。でもこうやって継いでいけて尚且つ実用的なのがペルシャ絨毯なのです。

甦った絨毯の全体図

甦った絨毯の全体図

2016.06.14 キリムのお話

キリム&絨毯をリビングに~イラン・シルジャン産のトップグレードの一枚~

リビングにお気に入りの一枚があると不思議と家族がそこに集まってきます。ペルシャキリムやペルシャ絨毯こそ一枚で癒し空間を作り出せます。そんな一枚がこのキリム。

トップグレードの細かい織りの平織のキリム、手触りの良い天然ウール、柔らかい色合いの草木染、ポイントに使ったペルシャ絨毯の高級感、そしてデザインの繊細さと美しさ。どれをとってもトップです。また正方形というサイズもレアです。

レアな正方形。高品質でデザインも繊細で美しい

レアな正方形。高品質でデザインも美しい

シルジャンキルペット正方形

このキリムは赤い直線のラインの部分だけは絨毯となっています。キリムだけでは少し薄く感じられる方もいますが、こちらのキリムと絨毯の組み合わせのタイプはキリムの軽さと絨毯の重厚感を兼ねているので人気が高いです。

 

イランのどの町で作っているかでデザインが変わります。(日本の陶器と同じですね。) シルジャンはイラン南東部ケルマン州にある町。その織の細かさでは定評でデザインも落ち着いた品のあるパターンや色使いの物が多く良質の物は手触りもしなやかです。

 

ペルシャ絨毯やキリムは沢山の色が使ってあるのでカーテンや家具に合わせるのが難しいと思われがちですが、多色使いゆえに一つの色とインテリアを合わせることで統一感が出ます。こちらのK宅の淡い緑のソファに赤を合わせることは一見驚きの組み合わせに思われますが、ボーダーの同じような優しい緑が使ってあるので、敷いたとたんに溶け込みました。それは言葉では表現しがたい、「敷いてみたらピッタリ」という喜びの瞬間です。明るいフローリングの色にもよく似合い、主張しすぎず、且つ溶け込み過ぎず、絶妙な存在感のある一枚となりました。 絨毯屋のお仕事をしていて、このピッタリとキタ一枚がお客様と一緒に発見できた時が本当に幸せです。

 

とてもグレードの高いペルシャキリムですのでK宅の息子さんやお孫さんの代にはより美しくなる財産となることでしょう。

2016.06.02 キリムのお話

リネンとキリム展~リベコホーム@東京ミッドタウンにて~

libecoDM 爽やかな風の気持ち良い初夏。ピュアリネンの贅沢さと快適さを生活に取り入れたベルギーリネンの有名店リベコホームにて、ペルシャキリム展が6月3日より16日まで開催されます

リネン、そしてキリムも生活に豊かさ、優しさ、美しさを与えてくれます。ホッと癒される一枚のある家。そんな空間を作ってみませんか。

リネンと合わせた美しいコーディネートをお楽しみください。東京ミッドタウンのガレリアD-0305、是非お立ち寄りください。