2016.08.15

オールドの美しさの極み・カシャーン産オールド

ペルシャ絨毯は草木染の糸で織るのが主流、それゆえにご家庭で使っていく中で踏まれて愛されて色が深みを増し年数を経て美しくなり価値も上がります。そんなオールドの美しさが詰まった一枚がこちら。カシャーンという町は絨毯の産地としては古い町、少なくとも500年前から絨毯を織っていて、優秀なデザイナーや織り子さんが沢山いました。そのデザイン性の高さがこの一枚でわかります。この絨毯は60年ほど前のもの。自然豊かなオアシスに遊びに来ている鹿の向こうには近代的な家屋やモスクが見えます。遠くには山脈が広がり正に自然と町が一体化しているイランの町の風景です。ボーダーにも木々や家が描かれています。何より私が気に入っているのは鹿の目。一番に目を惹く鹿の目がとっても優しく口元は優しく微笑んでいるかのよう。見ているだけでも心が和みます。

年数が経って深い色はより深くなる一方、明るい色はより明るくなります。この絨毯には白がポイントで使われていてその白がオールドとなった今、アクセントになりメリハリをつけています。計算されつくした配色とデザイン、是非ご覧頂きたいです。